ツムラ
ツムラ(http://www.tsumura.co.jp/),いわずと知れた,医療用漢方薬分野ではシェア8割超の最大手です。

漢方薬の剤型としては、「湯剤」「散剤」「丸剤」「エキス剤」などがありますが,医療保険が適応されるのはエキス製剤だけ。今日これだけ漢方薬が普及・定着したのは,保険が適応されたことだけでなく,持ち運びが便利で簡単に飲めるエキス製剤のおかげであることは間違いありません。

そもそも,漢方薬って中国の伝統医学かと思いきや,意外や意外,日本独自の伝統医学なのだそうです。もともとは5〜6世紀に中国から伝わったものですが,その後17世紀に日本の風土や気候、日本人の体質に合わせて大きく発展したのだそう。


一つ一つ品質にばらつきがあり,産地や気候などによって成分が変化する天然物である生薬。しかし,品質のいい原料をいかにして選び,管理するか,というところが良質の安定した品質のエキス製剤を作るためには最も大切なところらしい・・・。

そのためツムラでは生薬の製造から流通までトレーサビリティを進めたり,各工程に厳しいチェックを設けたり,農薬を減らす努力をしたり,水資源のきれいな場所で栽培したり・・・

と漢方薬の製造というのはどこか農業みたいなところがあるんだなあ。

そのツムラが最近力を注いでいるのが漢方薬の「育薬」です。

漢方の「育薬」とは、西洋薬で治療が難しい疾患の中で、漢方薬が特異的に効果を発揮する疾患に対して、その使用の科学的根拠(研究データ)を集積すること。

確かに漢方薬って副作用が少ないなどいいところもある反面,即効性に欠け「本当に効くの〜?」という声を聞くのも現実です。西洋薬はこういう作用機序で薬が効きます,と書いてあるのに,漢方薬ってなんとなく効いた気がする,という感じがします。

そういう世間の声に対して,論より証拠を,という感じで,ツムラでは大学病院などと連携して漢方薬の効果について科学的な証明をしようと力を注いでいます。ツムラHP内の医療従事者向けの情報サイト「ツムラ漢方スクエアhttp://www.tsumura.co.jp/password/top.htm)」では臨床情報をはじめ,文献・研究成果などの情報が集められています。

このような情報提供活動の効果もあってか,漢方薬分野での売り上げは好調で,特に「六君子湯」「抑肝散」「大建中湯」の育薬3処方(※)は前年同期から16.8%の順調な伸びを見せています。

苦みや匂いも一口一口楽しむことで効果が現れたりするのでしょうが,それでも,甘くておいしくてお菓子みたいな漢方製剤を作ってくれたらいいのに〜と,今後のツムラの開発に期待しています。

※おまけ:ツムラの育薬3処方の研究内容

「六君子湯」:機能性胃腸障害、胃食道逆流症などに伴う上腹部不定愁訴に対しての効果。

「抑肝散」:認知症の周辺症状である不安、抑うつ、興奮などを抑える効果。

「大建中湯」:腸管の運動改善の効果
「医情研ブログ」制作委員会 | 医療関係企業 | 10:18 | - | - |
ILT
株式会社ILS。

聞き慣れない会社名だとは思いますが,これは「伊藤ライフサイエンス(株)http://www.ils.co.jp/」がこの春に新しく社名変更したものです。

伊藤ライフサイエンス?それも初めて聞いた?

それこそ,このブログで取り上げた甲斐がありました。

HPによると,元々伊藤ハムの中央研究所が母体なのだそうですが(08年に伊藤ハムから大塚化学株式会社に100%株式譲渡),91年にウシ受精卵性判別法を完成させヘム鉄素材「ヘムロン」を発売したのをきっかけにして「トロンビン」「エルカトニン「グルカゴン」「酢酸ブセレリン」「サケカルシトニン」「トロンビン」「酢酸リュープロレリン」「酢酸ゴセレリン」「ダルテパリンナトリウム」etc・・・

とカタカナが続いてさぞかし読みにくかったとは思いますが,そう,医薬品関係では私たちの生体内にあるホルモンなどを分離・合成して製品化している会社なのです。

これらの言葉はなじみがなくても「L-カルニチン」は聞いたことがありませんか?ダイエット食品などでよく使用されている健康食品素材です。

ILS社のHPにカルニチンを説明したサイトがあります。ダイエットに興味がある方は是非どうぞ。
http://www.ils.co.jp/fireman/

L−カルニチンのための専門製造会社もあるそうです(BIOSINT社)。肥満が世界的な問題となっている現在,売れているんでしょうね。

また,米国シリコンバレーに100%子会社「アメリカンペプタイド社」を持っています(http://www.americanpeptide.com/corp/index.htm)。これはペプチド合成の専門会社です。ペプチド合成に関するカスタム合成も行なっているそうです。

ペプチド合成・・・。なんだかすごく高度なことをやっている・・・。しかもカスタマイズって・・・。

そもそもペプチドとはアミノ酸が2個以上結合した化合物のことです。これを化学合成で自在にアミノ酸を結合させてしまう技術なのだそうです。

免疫源ペプチド、標識ペプチドなど要望に応じていろいろ作ることができ,例えばアセチル基をくっつけるのに4千円とか,脂肪酸をくっつけるのには2万円とか,高いものになると10万円とか,そういう感じで自由にカスタマイズできるようなのです。

知らなかった・・・。技術の進歩ってすごいなあ・・・。

とにかく社名どおりサイエンティフィックな会社でした。

※付録:ILS社の製造する医療用医薬品
イトレリン点鼻液0.15%(酢酸ブセレリン噴霧剤)GnRH誘導体
エカトリスト筋注10単位/20単位(エルカトニン注射液)合成カルシトニン誘導体製剤
グルカゴン注射用1単位「イトウ」 (合成グルカゴン製剤)
サケカルトン筋注10単位(サケカルシトニン(合成)注射液)合成サケカルシトニン製剤
ミニヘパ注5000単位/10mL(パルナパリンナトリウム注) 血液凝固阻止剤
リザルミン静注5000単位/5mL(ダルテパリンナトリウム注)血液凝固阻止剤


「医情研ブログ」制作委員会 | - | 10:20 | - | - |
製薬会社徒然
このブログ,これから何を書こうかと思っていましたが,本日より新シリーズスタート。製薬企業について書こうと思いつきました。

東証一部上場企業はもちろん,「会社四季報」に載っていないような未上場企業も扱ってみようかと。

折りしも,時代は不況。医療業界は不況に強いと言われていますが,それでも厳しいことには変わりありません。

先発品企業にとって昨年は平均5.2%の薬価の引き下げ,さらに「2010年問題」といわれている主力商品の特許切れを見据えて,海外企業とのM&Aもますます加速,それに伴う買収費用や,その他研究開発費などの先行投資費用は今後も増加することが予想されます。

さらにジェネリック企業にとっては今後ますます淘汰が進むという噂もあり,やはり厳しそう・・・。

この厳しい環境の中,必死に頑張っている企業を応援しようという,一応偉そうな大志を抱きつつ,主に企業のHPからどんな企業なのかを覗き見していきたいと思います。

目標としては,これから製薬業界に就職しようと思っている学生さんが,大手企業だけでなく,あまり知られていない企業や中小企業にも,こんなに面白い会社があるんだと知ってもらえれば,と。

さて,そこで第一回目は「エア・ウォーター社」(http://www.awi.co.jp/

日本語にすれば「空気と水」

私自身は名前ぐらいは知っていました。が,医療用医薬品では吸入麻酔剤の「液化亜酸化窒素」と「イソフルラン」ぐらいなので,小さな会社なのかなと思っていたら,大間違い!

HPによると,実は東証一部上場,従業員数7千人強,経常利益277億円の大手メーカーでした・・・。

なるほど〜。本業は産業ガスでありましたか。

そもそも「産業ガス」ってなんだろう?

と調べたところ,産業ガスとは、主に「モノづくりの過程で使用されるガス」で、酸素、窒素、アルゴン、炭酸ガス、水素などのガスを指すそうです。原料はなんと「空気」!(原価はほぼゼロ?間違っていたらスミマセン)ここからエア・ウォーター社の中核技術となる空気分解技術をもってこれらのガスを分離・精製しているのだそうです。

他にも,鉄鋼,化学,エレクトロニクスなど幅広い分野を手掛けています。この不況の下,産業用ガスの需要は減っているそうですが,シャープやパナソニックなどの大型の新規受注も受けており,来期も堅実な業績が見込める予想なのだとか。

医療用分野では,慢性呼吸不全等の患者さんが、自宅で酸素を吸入しながら療養生活を送るための在宅医療用酸素濃縮器の製造や,コラーゲン製造などを手掛け,そのほかミネラルウォーターから物流関連まで,取り組んでいる事業も実にさまざま。

また,女子学生のみなさんには,家庭と仕事の両立のしやすさなどが気になるところかもしれませんが,この会社には育児休暇などの休暇制度はもちろん,通勤緩和・勤務時間の短縮・休憩時間の延長のほか,小学校低学年以下の子がベビーシッターのサービスを受けることができるベビーシッター支援制度も導入されているそうです。なかなか充実しているといえるのでは?

こんなに大きな会社なので,子会社も160社以上。ちなみに株主優待制度ではそれらの子会社の一つである長野県の食品会社製造の「あずさ発芽玄米」が送られてくるそうです。

ガス会社の株を買って「発芽玄米」が送られてくるとは,この会社の奥深さを表している(?)と思いませんか?






「医情研ブログ」制作委員会 | 医療関係企業 | 16:07 | - | - |
【ウテメリン錠】
赤りんご(効能)
妊娠16週以降の切迫・流早産の治療薬です。子宮平滑筋の交感神経β2- 受容体を刺激することで,お腹の張りを抑えたり,軽度の切迫流・早産などを予防します。

next切迫早産とは?
妊娠22週〜37週未満の期間で,早産になるかもしれない状態をいいます。原因としては子宮奇形,尿路感染症,遺伝的なものなど様々です。初期症状としては,おりものなどの突然の増加,出血,生理痛のような下腹部痛などがあげられます。自覚症状があっても早産に移行しないことも多いですが,自覚症状を感じたら,なるべく早く受診することが大切です。軽度の切迫早産の疑いの場合にはウテメリン錠を服用しながら,自宅で安静にしておきますが,ひどい場合には即入院で,絶対安静となります。

流産とは妊娠22週目未満の妊娠中絶のことをいいます。
 
赤りんご(同効薬)
注射剤で硫酸マグネシウム水和物・ブドウ糖製剤がありますが,錠剤ではありません。これはリトドリンで効果がなかったり,合併症や副作用のためにリトドリンの使用が制限される場合に投与されるのが一般的です。

赤りんご(副作用)
特に多いのが,動悸を感じるというものです。ひどい場合には減量します。

赤りんご(禁忌)
β2 受容体刺激作用により,甲状腺機能亢進症,高血圧症,心疾患,糖尿病,肺高血圧症です。その他妊娠16週未満の投与は安全性が確立していないため,禁忌となっています。
「医情研ブログ」制作委員会 | くすり徒然 | 11:17 | - | - |
【イミグラン】
赤りんご(作用機序)
セロトニン(5-HT)受容体のサブタイプである5-HT1B/1D受容体に作動する片頭痛治療薬です。

赤りんご片頭痛とは?
頭の右か左か一方に日常生活が妨げられる程の強い痛みがある頭痛です。ストレスやホルモンの影響などが原因の一つではないかとも言われていますが,どのようにして発生するかはまだ不明です。頭の血管が過度に拡張することにより、まわりの神経が刺激されて痛むものと考えられています。発作は一ヶ月に1〜2回くらい,数時間多いときには3日間くらい続きます。

赤りんご(片頭痛はどうやって起こるの?)
血管が急に収縮した後,過度に拡張することで,血管壁の周りの神経を傷つけ,浮腫および炎症が起こるのではないかと考えられています。
さらに・・・
片頭痛は三叉神経軸索からCGRPやサブスタンス Pとよばれるニューロペプチドが遊離され、これらが三叉神経の周りの血管の透過性亢進や肥満細胞の脱顆粒を誘発し、その結果炎症が引き起こされるという説もあります。

赤りんご(特徴)
スマトリプタンは、脳血管収縮作用および三叉神経終末からのニューロペプチド放出抑制作用の両方を有します。

赤りんご(その他の5-HT受容体作動薬)
アマージ錠(塩酸ナラトリプタン)
ゾーミッグ(ゾルミトリプタン)
レルパックス(エレトリプタン)
マクサルト(リザトリプタン)

赤りんご(5-HT受容体作動薬以外の片頭痛治療薬)
カフェルゴット(酒石酸エルゴタミン・無水カフェイン)

赤りんご(5-HT受容体作動薬以外の片頭痛予防薬)
ミグシス,テラナス(塩酸ロメリジン)(Ca拮抗薬)
保険適応があるのはこれだけ。

赤りんご(用法)
発作が起こる30分以内に服用したほうが効果がみられる。


「医情研ブログ」制作委員会 | くすり徒然 | 16:19 | - | - |
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